「短期で資産を増やしたい」という願望は、皆さんあると思います。特に30 – 40代の家庭を持つ方にとって、増え始めた預貯金を賢く運用して、資産を増やすことは大きな関心事の一つですよね。でも、「初心者なので、どんな方法を取れば良いか分からない、、」という不安もあります。この記事では、短期での資産運用に役立てる方法をご紹介します。
短期で資産を運用する方法4つ
短期で資産を運用する方法を4つ紹介します。
1.デイトレード
デイトレードは、よくメディアなどでも見かける言葉なので、ご存知の方も多いと思います。株やその他の金融商品を1日のうちに売買し、その日の市場の小さな価格変動から利益を得る手法です。
デイトレードのメリット
デイトレードでは、一日の市場変動を利用して短期間で利益を得ることが可能です。ポジションを持ち越さないため、一夜にして市場が大きく変動するリスクを避けられます。また、日々の活動を通じて、市場感覚を磨くことができます。
デイトレードのデメリット
「株主優待」「分配金」などの恩恵を受けにくいです(権利確定日を狙って売買すれば可能です)。また、デイトレーディングはストレスが伴います。市場の微細な動きを継続的に監視する必要があり、心理的なプレッシャーが大きいです。加えて取引手数料が多く発生し、これが利益を圧迫することもあります。
個人的には、あまり初心者の方にはおすすめできないと思っています。企業に勤めている方はトレードできるタイミングが限られてしまう為、運用するのは難しいのではないでしょうか。
2.スイングトレード
スイングトレードは、数日から数週間にわたって投資を行う方法で、デイトレードよりも長い期間を対象とします。そのため、市場の短期的なボラティリティ(価格変動)を利用するのではなく、中期的なトレンドを見極めて利益を狙います。デイトレーディングと比べて、少しゆっくりしたペースでトレードを行うため、市場の分析にもう少し時間をかけることができます。
スイングトレードのメリット
スイングトレードでは、数日から数週間の市場のトレンドを利用して利益を得ることができます。デイトレードよりも市場の微細な変動に一喜一憂する必要が少なく、計画的に取引を行うことが可能です。他に仕事をしていても、デイトレーディングほどタイミングに縛られないため、平日の夜や休日に運用方針を考えることができます。また、デイトレードディングと比較して取引機会が少ない分、証券会社へ支払う手数料が安くなるケースがあります。
スイングトレードのデメリット
保有期間が長くなる分、市場の突発的な動きや予期せぬニュースによる影響を受ける可能性があります。これに対応するためには、損切りポイントを適切に設定しておく必要があります。また資本が一箇所に長く縛られることで、他の投資機会を逃す可能性があります。利用可能な資本が限られている場合、一つの投資に多くの資金を割り当てることは、他の潜在的な利益を得るチャンスを失うことを意味するかもしれません。
僕自身は、スイングトレードをしています。企業に勤めていることもあり、取引きする時間が限られているのとデイトレーディングのストレスには耐えられないと思っているからです。
参考記事:みんなのマネ活…スイングトレードとは?成功する株取引のコツを紹介
3.CFD(差金決済取引)
CFDは株式や株価指数、商品(ゴールド)などの価格差に投資する方法です。特徴は投資の際に現物の受け渡しを行わず、証券会社に商品を借りることで「差額だけをやり取りする」取引手法という点です。取引を行う金額に対し、一定の証拠金が必要となりますが、証拠金以上のレバレッジをかけて投資することが可能です。
引用元 日本証券業協会:証券CFD(差金決済)取引の特徴やリスクとは?
現物取引とは異なり、先に売却し買い戻すことで発生する差額の利益を得ることもできます。イメージが湧きづらいかと思いますが、投資家目線で見るとざっくり以下の流れになります。(シンプルになるよう手数料や税金は考慮しません)
- 証券会社から証拠金を担保に株を借りる
- 借りた株を100万円で売却
- 同じ株を80万円で買い戻す
- 証券会社に借りた株を返却する
- 100万円(売却金額)ー 80万円(購入金額)= 20万円 が利益になる
CFD(差金決済取引)のメリット
CFD取引では、レバレッジを利用し少ない資本で大きな取引が可能です。つまり、少ない投資で大きな市場露出を得ることができ、これが高いリターンを生む可能性を高めます。また、先ほどの例で説明したように、下降市場でも利益のチャンスがあります。株式、指数、通貨、商品など多様な商品が取引の対象となっていることもあり、取引機会が広いことがメリットと言えるでしょう。
CFD(差金決済取引)のデメリット
レバレッジは利益を増加させる一方で、損失も増大させる可能性があります。元手となる証拠金を超えた費用の支払いが発生することもあります。この点が通常の株式投資との大きな違いですね。リスク管理がよりシビアになります。
個人的にはレバレッジを許容できるリスクの範囲内で設定して運用できるならありかと思います。少額だと運用できる資金がすぐなくなる可能性もあるので、CFDで運用する場合にはより資産に余裕が必要だと思います。
参考記事:日経CNBC… 10分で覚えるCFD(差金決済取引)初心者が覚えておきたいメリット&デメリット
4.オプション取引
オプション取引とは、将来の特定の日に特定の価格で株式や他の金融資産を購入または販売する権利を売買する取引のことです。オプションは二種類に分けられ、「コールオプション」は資産を購入する権利を、「プットオプション」は資産を売却する権利を提供します。この取引は、権利の行使を強制されるわけではなく、オプションの保有者が選択することができます。「先物取引」との違いがその点です。
- オプション取引 =「購入券」…実際に権利の価格で商品の売買をするかは選択できる(ただし、オプションの購入代金は戻ってこない)
- 先物取引 =「予約券」…実際に取り決めた価格で売買が行使される
オプション取引のメリット
オプションは投資のリスクを限定するために有効です。例えば、株価の下落リスクから保護するためにプットオプションを購入することができます。この権利は、保有する株が予想よりも低くなった場合に、予め決められた価格で売ることができるため、損失を限定することが可能です。また、 オプションを使用すると、市場が上昇、下降、または横ばいであっても利益を目指すことができる多様な戦略を実行することが可能です。
オプション取引のデメリット
オプション取引は他の金融商品に比べて複雑であり、多くの投資家にとっては理解しにくいものです。適切な知識がないと、大きな損失を引き起こす可能性があります。また、オプションには有効期限があります。この期限が過ぎるとオプションは無価値になってしまいます。したがって、タイミングが非常に重要で、市場の動きを正確に予測する必要があります。一部のオプション市場では流動性が低いことがあり、オプションを望む価格で売買することができない可能性があります。
リスクを抑えながら取引ができる点はメリットかと思いますが、投資初心者が資産運用を始めるための取引き手法としては、複雑でハードルが高いかもしれません
参考記事:JPX(日本取引所グループ) …オプション取引について
筆者が初心者にオススメするのは「スイングトレード」
僕が先ほど記載した中でオススメするのは、「スイングトレード」です。理由は、仕事をしながらでも運用しやすいこと、またリスクも限定的であり、取引についてもシンプルだからです。もちろん、超短期で利益を確保していきたい方にとっては、「CFD」でレバレッジをかける方が良いかもしれません。個人的には初心者が大きいリスクを最初から取るよりは、他の取引手法で経験を積んでからチャレンジするのが良いかと思っています。