株を運用する前に知っておきたい基本的なこと
資産運用を始めようと思った時に浮かび上がるのは、「株の運用」だと思います。僕自身も、投資始めたきっかけは株式購入でした。
この記事では資産形成のために株式運用を考えている方へ、実体験も交えて株式運用の前に知っておきたかったことをまとめています。
家庭を持つ人が株式購入で得られるメリット 4つ
株式を購入することで、僕が考えるメリットは大きく4つあります。
分散投資によるリスク管理
株式投資は、さまざまな企業や業界に分散して投資することで、リスクを管理できる柔軟性を持っています。金融資産だけに限らず、勤める業界が不調な際に相反して好調になる業界がわかっていれば、リスク分散の為に株式を購入するのもアリですよね。僕の場合は変動型の住宅ローンを組んでいるので、金利が上がった時に好調になりそうな金融業系の株を買っています。
また、海外の株式に投資することで、日本だけに投資する経済リスクを分散させることも可能です。
資産を増加させる機会が得られる
これは、株式購入の一番大きな動機だと思います。購入した株価が上昇すると、その差額分の利益「キャピタルゲイン」を得られますし、企業が利益の一部を株主に分配する「配当収入」もあります。その他、企業のサービスを利用できる「株主優待」も魅力的です。イオンでは「保有株に応じた返金率でキャッシュバック」も行なっているようで、ファミリーには嬉しいですよね。
イオン:株主優待制度(株主さまご優待カード(オーナーズカード)について)※2024年3月現在
僕自身は、まだまだ投資金額が少ないので「キャピタルゲイン」を得ることが一番の目的になっています。(投資金額が少ないと、「配当収入」は少なくなるし「株主優待券」も貰えなかったりします)
流動性の高さ
株式市場は一般に、高い流動性を持っています。不動産とは違い急にお金が必要になった場合も、すぐ売却できることは魅力的です。その資金をすぐに別の投資にも充てられるので、投資の初心者にとっても運用がしやすいと思います。
経済やお金の勉強ができる
これは、30代の人たちにとっては大きいと思います。自分が働いている業界については詳しくても、世界の経済動向には疎い人もいますよね(僕がそうです)。株を購入すると自然と経済情報を調べるようになります。(僕はテレビ東京のWBSなど、観るようになりました)
そして、お金ことをもっと知りたいなと思うようになります。僕の場合は、自分の子供にも教えてあげたいなと考えるようになりました。
株を購入する方法。ネット証券で口座を開く
株を購入する方法はいくつかありますが、僕は費用や手間を抑えられるネット証券を利用しています。実際に株式購入でメインに使用しているのは楽天証券です。楽天ポイントの還元を受けるため、積立NISAを楽天証券で運用しており、そのままの流れで株式の売買にも使用してます。
国内株式取引が完全無料になる「ゼロコース」を利用しているので、取引手数料に関しては手数料が発生していません。(参考: 楽天証券 手数料)※2024年3月現在
楽天証券 手数料
勿論、他にも証券会社はたくさんあります。資産形成のための情報メディア「みんかぶ」さんが「おすすめネット証券比較&ランキング」も発表しているので、手数料やキャンペーンを比較しながら自分に合ったネット証券会社を選ぶのが良いかと思います。
株の運用にはNISA枠を使った方が良い?
僕はNISA枠を使用することをおすすめします。もちろんデメリットが無いわけではないのですが、メリットが大きいからです。
メリット:株式投資で得たキャピタルゲイン、分配金が非課税になる
株式の運用で得た利益には通常「税率:20.315%」の税金がかかります。単純に100万円の利益が出た場合は20万円は税金で支払う必要があるということですよね、、かなり負担が大きい。NISA枠を使用すると、この税金が免除されます。
投資できる金額は2つの投資枠を合わせると年間360万円、生涯で最大1.800万円まで投資できます。(うち成長投資枠は1,200万円)
- つみたて投資枠……年間120万円
- 成長投資枠……年間240万円
期間に制限は設けられれいません。
デメリット:損益通算ができない
「損益通算」とは、損失を同じ年に得た利益から差し引くことを指します。この差し引きにより、課税される利益の総額を減らすことができ、結果として支払う税金の額も少なくなります。損益通算は、投資家にとって税負担を軽減する重要な手段の一つです。
例えば、A証券口座で10万円の赤字、B証券口座で40万円の利益が確定したとします。
- AがNISA枠 :課税対象でない為、赤字分が合算されず40万円が課税対象
- Aが課税口座 :AとBの損益を合算でき、30万円(40-10万円)が課税対象になる
(参考記事:トウシル 新しいNISAでも注意すべきは「損益通算」と「繰越控除」)
上記のように、NISA枠以外で資産運用をしている場合にデメリットが存在するのです。ただし、僕はNISA枠以外で資産の運用をしていない(もしくは少額)ということであれば、あまり気にしなくても良いと考えています。
NISAの情報については、金融庁公式のサイトがあります。詳しく知りたい方は下記のURLからアクセスしてください。7つの活用パターン別で投資サンプルも記載されています。2024年3月現在ではまだ公開されていませんが、今後はサイト内でシミュレーションもできるようになるみたいです。(可愛いイラストのホームページなので、僕はデザイン的にも好きです)
金融庁 NISAの活用事例
株の購入を初心者がするときに、何を基準に購入すれば良い?
株を購入する準備は整った!とはいえ、肝心の株式の選び方は初心者には分からないですよね。「チャート」と言われるグラフや、決算書を見たりなどして皆さん購入しているようです。どのような違いがあるのでしょうか?
初心者が知っておきたい分析方法の種類
株式購入をする際に分析方法は大きく2つあります。それが「ファンダメンタル分析」と「テクニカル分析」です。主要な分析方法ですが、そのアプローチには大きな違いがあります。運用の方針に応じてどちらを強く影響させるかが変わってきます。僕は「テクニカル分析」の後に「ファンダメンタル分析」をすることで、株式購入の判断をしています。
ファンダメンタル分析:会社の財務状況や世界の経済環境から株価の動向を予測する
ファンダメンタル分析は、企業の基本的な健全性を評価するために、財務諸表、業界の動向、経済環境などの「基本的な」データに焦点を当てます。この方法では、企業の本質的な価値を理解し、株価が過大評価または過小評価されているかを判断します。利益、売上、市場の位置づけ、競合他社との比較などを分析します。
僕は「中〜長期」で株を運用する際には「ファンダメンタル分析」をより重要視する必要があると思っています。企業のIR情報や四季報の内容を確認して分析しています。四季報の内容は証券会社のサイトから確認することもできます。
楽天証券 三菱UFJフィナンシャルグループ 四季報
テクニカル分析:チャートの動きから株価を予測する
テクニカル分析は、過去からの株価と取引量の動向を分析することに重点を置いています。チャートやグラフを用いて、価格の動きやトレンド、パターンを探ります。この方法の目的は、将来の価格変動を予測することであり、サポートライン、レジスタンスライン、移動平均線などの指標がよく用いられます。
- サポートライン:株価が下落する際に、その下落を止めるかのように機能する価格帯
- レジスタンスライン:株価が上昇する際に、その上昇を抑えるかのように作用する価格帯
- 移動平均線:移動平均線は、特定の期間における株価の平均値を時間の経過とともに結んで表示した線。株価のトレンドを把握するのに役立つ
僕は特に「移動平均線」に注意して運用しています。短期間の移動平均線(例えば5日間や25日間)と長期間の移動平均線(例えば75日間)を比較することで、市場の方向性を見ることができます。
楽天証券 日本製鉄 チャート
ファンダメンタル分析は「なぜ」株価が上下するのかを理解しようとするのに対し、テクニカル分析は「いつ」株価が変動するかを予測しようとする点で異なります。僕はこれらの分析方法を組み合わせることで、より総合的な投資判断をするようにしています。
初心者が知っておきたい経済指標
株式の運用をする際に初心者が知っておきたい経済指標をまとめました。それぞれのトレンドが好調に向かうと、株式にも良い影響が起きると考えられています。
日本の株式市場に影響を与える経済指標 5つ
主な経済指標として、以下があります。経済の成長や活性化を示す指標の良好なトレンドは一般に株式市場にとって好材料になりますね。逆に、経済の縮小や不安定性を示すトレンドは、市場に悪影響を与える可能性があります。
- GDP(国内総生産) GDPは国の経済規模と成長速度を示す最も基本的な指標です。経済全体の健全性を測るために用いられ、増加するGDPは経済成長を、減少するGDPは経済縮小を意味します。株式市場においては、GDPの増減は企業収益への影響を予測する上で重要な指標となります。
- 消費者物価指数(CPI) CPIは消費者が購入する商品とサービスの価格変動を測る指標です。インフレ率の主要な尺度とされ、価格の上昇はインフレを示します。CPIの上昇は消費者の購買力低下を意味するため、株式市場にも影響を及ぼすことがあります。
- 失業率 失業率は労働市場の状態を示し、経済の健全性を反映します。高い失業率は経済が苦境にあることを示し、消費者支出の減少をもたらすことがあります。これは企業の収益に悪影響を及ぼし、株式市場にも否定的な影響を与えることがあります。
- 鉱工業生産指数 この指数は、製造業、鉱業の生産活動の変化を示します。経済活動の重要な部分を占めるこれらのセクターの成長は、国の経済成長に直結し、株式市場にとっても好材料となり得ます。
- 貿易収支 貿易収支は、国の輸出入の差額を示し、経済の外部との取引状況を反映します。貿易黒字は経済の強さを、貿易赤字は弱さを示すことがあります。日本経済にとって輸出は重要であり、貿易収支の状況は特に輸出関連企業の株価に影響を与えます。
経済指標 | 良い影響を与えるトレンド | 悪い影響を与えるトレンド |
---|---|---|
GDP(国内総生産) | 持続的な増加(経済成長) | 減少(経済縮小) |
消費者物価指数(CPI) | 適度な上昇(安定したインフレ) | 急激な上昇または下降(インフレまたはデフレ) |
失業率 | 低下(労働市場の健全性) | 上昇(労働市場の不安定性) |
鉱工業生産指数 | 増加(経済活動の活発化) | 減少(経済活動の低迷) |
貿易収支 | 貿易黒字(経済の強さ) | 貿易赤字(経済の弱さ) |
日本の経済指標はどこで知られるの?
以下に、日本の主要な経済指標の発表時期と参照できるURLをまとめました。具体的な発表日は変更される場合もあるので、最新の情報を得るには直接ウェブサイトを確認してください。
経済指標 | 発表時期 | URL |
---|---|---|
GDP(国内総生産) | 四半期ごと(速報値、改定値、確定値の順に発表) | 内閣府 |
消費者物価指数(CPI) | 毎月 | 総務省統計局 |
失業率 | 毎月 | 総務省統計局 |
鉱工業生産指数 | 毎月 | 経済産業省 |
貿易収支 | 毎月 | 財務省 |
先ほどお伝えした「ファンダメンタル分析」で、市場全体の動向を見る際に参考にしてみてください。
まとめ
この記事では、初心者が株式運用を始める際に参考になることをまとめました。まずはネット証券で口座を作ること。合わせて、自分の方針に沿った分析方法を知ることをお勧めしたいです。また、株の値動きに影響を与える経済指標もチェックしておきたいですね。
僕自身、株式投資を始める前は右も左も分からない状態でしたので、この記事は皆さんの参考になれば嬉しいです。